ブリッジキャストXは本来ゲーム配信等で使用するオーディオインターフェースですが、私の場合配信せず、単純にPS5やPCでのゲーム音とチャット音を個別に音量調整したいのとマイクをXLR接続したい目的で購入しました。ちなみにマイクはSHUREのSM7B(プリアンプ非搭載)ですが、CloudやDYNAMITE等のマイクプリアンプを使用せずとも十分な音量になります。
今までは、ASTROのMixAmpやSteelSeriesのGameDACを使用してきましたが、調子が少し悪くなってきていたので、いずれ配信もするかもしれない、ブリッジキャストX1台でデスク周りをスッキリにしたかったこともあり、どうせならとブリッジキャストXを選択しました。
PS5でパーティチャットをブリッジキャストX経由で楽しむ方法
1. 必要な機材を準備しよう
- BRIDGE CAST X本体
- PS5本体
- HDMIケーブル、USB-Cケーブル
- マイク、ヘッドホンまたはヘッドセット
- モニター
- 必要に応じてPC(設定用)
2. 機器の接続手順

- PS5のHDMI出力をBRIDGE CAST Xの「HDMI IN」へ、BRIDGE CAST Xの「HDMI THRU」からモニターへ接続。
- PS5とBRIDGE CAST XをUSB-Cケーブルで接続(USB I端子、スイッチは「CONSOLE/MOBILE」)。
- マイク・ヘッドホンをBRIDGE CAST Xに接続。
3. BRIDGE CAST アプリの設定

❶HDCPをONにする
これはPS5側のHDCPを有効にするにチェックがある場合(デフォルトはチェックがある)はブリッジキャストアプリの「SYSTEM」のHDCPをONにしないとモニターに表示しないので、まず最初にONにしておいてください。PS5のHDCPを有効にするにチェックがない場合はブリッジキャストXアプリの方はON、OFFどちらでもモニターに表示します。
配信等しない場合は、PS5のHDCPはON,OFFどちらでもよいのですが、OBS等キャプチャーボードを使用する時はPS5側のHDCPを有効にするのチェックを外さないと、OBSの画面に表示しません。ただしHDCPをオフにすると、NetflixやAmazon Primeなど著作権保護が必要な動画サービスはPS5上で再生できなくなります。
PS5のHDCP設定をオフにする手順
- PS5のホーム画面で[設定]を開く
- [システム]を選択
- [HDMI]を選択
- [HDCPを有効にする]のチェックを外す(オフにする)
注意点
- HDCPをオフにすると、NetflixやAmazon Primeなど著作権保護が必要な動画サービスはPS5上で再生できなくなります。
こういったサービスを利用したい場合は、再度HDCPをオンにしてください。 - 通常のゲームプレイ配信・録画にはHDCPオフでOKです。
❷HDMI IN CAPABILITY MODE(EDID)➡DISPLAYTHRUを選択
私の場合モニターがWQHDモニターなのですが4K(2160p60fps)になってしまい、VRR(可変リフレッシュレート)も使用できませんでした。ブリッジキャストアプリの「SYSTEM」の「HDMI IN CAPABILITY MODE(EDID)」を「DISPLAY THRU」に選択すると1440p120fps、VRRも可能にできるようになりました。
4. PS5側の設定
- 「設定」→「サウンド」→「マイク」で「USBヘッドセット(BRIDGECAST X-I)」を選択。
- 「音声出力」→「出力機器」で「USBヘッドセット(BRIDGECAST X-I)」を選択。
- 「ヘッドホンへの出力」で「ボイスチャット音声」を選ぶ。
5. パーティチャットの始め方
- PSボタンでコントロールセンターを開く。
- 「ゲームベース」→「パーティ」タブから「パーティーを開始」。
- オープンパーティかプライベートパーティを選択し、フレンドを招待してチャット開始。
6. BRIDGE CAST Xで音量バランスを調整
- BRIDGE CAST の「INPUT」で「HDMI」チャンネル(ゲーム音)と「CONS/MOBI」チャンネル(ボイスチャット音)が入力されていることを確認。
- それぞれの音量をアプリや本体ノブで調整し、自分好みのバランスに。
BRIDGE CAST XとPS5を接続する際の注意点
1. USB接続の制限
- PS5とBRIDGE CAST XをUSB接続すると、BRIDGE CAST XのUSB端子が埋まるため、そのポートを使ってPCと同時接続・配信ができなくなります。PS5とPC両方で配信したい場合は、HDMIオーディオ分離器など追加機器が必要です。
2. USB I端子の設定
- PS5と接続する際は、BRIDGE CAST X本体のUSB I端子のスイッチを「CONSOLE/MOBILE」に設定してください。これを間違えると正常に認識されません。
3. HDMIケーブルの規格
- HDMIケーブルは2.0以上(できれば2.1以上)の規格を推奨します。古いケーブルでは映像や音声の不具合が起きる可能性があります。
4. ドライバーとアプリの準備
- PCで音声ミックスや細かい設定を行う場合は、BRIDGE CAST X専用USBドライバーとBRIDGE CAST Appを事前にインストールしておきましょう。
5. モニターへの接続
- ゲーム映像はBRIDGE CAST Xの「HDMI THRU」端子からモニターに出力します。これにより遅延のない映像でゲームが楽しめます。
6. 電源供給
- BRIDGE CAST Xが起動しない場合、PCやPS5からの給電が足りていないことがあります。その際はPower in(USB PD)から給電してください。
7. OBSや配信ソフトとの連携
- 配信時は「USB OUT」ボタンの押し忘れに注意。これを押さないと映像や音声がPCに出力されません。
PCでDiscord通話をする方法
1. Discordをインストール&アカウント作成
- 公式サイトからDiscordをダウンロードし、アカウントを作成。
2. サーバー作成 or 参加
- Discordを起動し、左側の「+」ボタンから「サーバーを作成」または「サーバーに参加」。
- サーバー名を決めて、必要なら友達を招待。
3. ボイスチャットのやり方
- サーバー内の「ボイスチャンネル」をクリックするだけで通話が開始。
- 相手も同じチャンネルに入れば自動的に会話可能。
4.Discordの音声デバイス設定
- Discordの設定画面を開く
画面左下の歯車アイコン(ユーザー設定)をクリックします。 - 「音声・ビデオ」メニューでデバイスを選択
- 入力デバイス(マイク):「MIC(BRIDGE CAST X-II)」または「MIC(BRIDGE CAST X V2-II)」など、BRIDGE CAST Xのマイクデバイスを選択します。
- 出力デバイス(スピーカー):「CHAT(BRIDGE CAST X-II)」または「CHAT(BRIDGE CAST X V2-II)」など、BRIDGE CAST Xのチャットデバイスを選択します
5. ゲーム音とボイスチャット音のバランス調整
- BRIDGE CAST Appでバランス調整
- ゲーム音(GAME)、チャット音(CHAT)、マイク音(MIC)など各チャンネルの音量を個別に調整できます。
- 本体のノブやフェーダーでリアルタイムにバランスを変えることも可能です
6. マイクや音声デバイスの設定
- 左下の歯車アイコンから「ユーザー設定」→「音声・ビデオ」でマイクやスピーカーを選択。
- 必要に応じてノイズ抑制(Krisp)もオンに。
7. 画面共有やビデオ通話も簡単
- ボイスチャンネルに入った状態で、画面下の「画面共有」や「ビデオ」ボタンを押すだけ。
ブリッジキャストXを使った「同時通話」も可能!
例えば、PS5のパーティチャットとPCのDiscordを同時に使いたい場合も、BRIDGE CAST Xの入力チャンネルを活用すれば、両方の音声をミックスしてヘッドホンで聞くことができます。
具体的な調整方法
- MICチャンネル⇒自分のマイク音量調整
- CHATチャンネル⇒Discord相手のボイス調整
- CONS/MOBIチャンネル⇒PS5パーティチャット相手のボイス調整
- HDMIチャンネル⇒PS5ゲーム音量調整
- GAMEチャンネル⇒PCゲーム音量調整
PCとPS5をそれぞれBRIDGE CAST Xに接続し、アプリや本体ノブでバランスを調整するだけ。
配信者なら「自分用」と「配信用」の音声バランスも個別に設定できて超便利です。
Roland BRIDGE CASTシリーズ3機種の比較
Roland BRIDGE CASTシリーズには、以下の3機種があります。
- BRIDGE CAST ONE(エントリーモデル・新製品)
- BRIDGE CAST(スタンダードモデル)
- BRIDGE CAST X(最上位モデル)
それぞれの特徴と違いを、機能・用途・価格帯などの観点からまとめます。
比較表
機種名 | 主な特徴・機能 | サイズ・重さ | 映像キャプチャ | USBバーチャルサラウンド | パッド数 | 端子構成 | 価格帯(目安) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
BRIDGE CAST ONE | シリーズ最小・最軽量。高品質マイクプリ、強力DSP、USBバーチャルサラウンド、Game Limiter搭載 | 手のひらサイズ | × | ○ | 0 | 必要最小限 | 約27,500円 |
BRIDGE CAST | 標準モデル。デュアルオーディオバス、EQ/コンプ/リバーブ、ボイスチェンジャー、5種GAME EQプリセット | 222×110×70mm | × | ○ | 0 | XLR/MIC, AUX等 | 約29,500円 |
BRIDGE CAST X | 最上位。HDMIキャプチャ(2in/1thru)、2PC配信対応、6パッド、2USB、バーチャルサラウンド | やや大型・堅牢筐体 | ○ | ○ | 6 | HDMI, USB-C×2等 | 約60,000円前後 |
各モデルの特徴
BRIDGE CAST ONE
- シリーズ中最もコンパクトで持ち運びやすい
- 基本的な音声処理機能は上位機種と同等
- USBバーチャルサラウンドやGame Limiterなど新機能も搭載
- ノブ1つで簡単操作、旅行先や遠征先でも活躍
- コストパフォーマンス重視
BRIDGE CAST
- 標準的なモデルで、4チャンネルミキサーとして多用途
- XLRマイク端子(ファンタム電源)、高品質マイクプリ搭載
- デュアルオーディオバスで配信者用と配信先用の音量を独立調整可能
- 5種類のゲームEQプリセット、LEDカスタマイズなど機能豊富
BRIDGE CAST X
- HDMIキャプチャ機能搭載でゲーム機やカメラの映像・音声を直接取り込み可能
- 2PC配信環境や映像配信に最適
- 6つのカスタムパッドで効果音やOBS操作など多彩な割り当てが可能
- 2系統USB-C端子、バーチャルサラウンド、堅牢な金属筐体
- プロ仕様の配信・映像制作にも対応
選び方のポイント
- とにかく小型・軽量で持ち運びやすさ重視、コスパ重視 → BRIDGE CAST ONE
- 標準的なゲーム配信や音声配信、幅広い用途に対応したい → BRIDGE CAST
- 映像配信や2PC配信、複雑な配信環境を1台で完結したい → BRIDGE CAST X
BRIDGE CASTシリーズは、ONE(小型・エントリー)、無印(標準)、X(最上位・多機能)と、用途や予算に応じて選べる3機種展開となっています。いずれも高品質な音声処理と配信者向けの機能を備えていますが、映像キャプチャや多端子・パッド操作などの高度な機能はXモデルのみ搭載です。
まとめ
BRIDGE CAST Xを使えば、PS5のパーティチャットとPCのDiscord通話を同時に聞きながら、個別に音量バランスを調整できます。つまみで自分や相手の音量調節が直感的操作が可能で、フレンドいわく自分の声も以前より聞こえやすくなったようです。デスク周りもスッキリできて、価格は決して安くはないですが、購入して良かったと思います。
BRIDGE CAST Xは、配信に必要な機能を全て詰め込んだ「神機材」。
一台で配信環境が劇的に変わり、配信の質も大きく向上します。
これから配信を始める方や直感的に音量調節したい方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか?




